「ルワンダでタイ料理屋をひらく」に込めたもの

初の著作「ルワンダでタイ料理屋をひらく」(左右社)、「一気に読んでしまった!」「勇気をもらった、新生活頑張るー!」などなど 続々と感想が舞い込んできてとっても嬉しいです!
今回初めて私めのことを知ってくださった方向けに、こちらで少し具体的にご紹介します。

目次
本の概要「なぜ? ルワンダで? タイ料理?」
書いた理由①「世界はつながっている」
書いた理由②「誰かの背中を押せたら」
(分かりづらいですが、上記3行、リンクで飛べます)

なぜ?ルワンダで?タイ料理?

「表紙の情報量が多すぎ。笑」とよく突っ込まれますが、まず「ルワンダでタイ料理屋をひらく」という一見意味がよく分からないタイトルについて、説明しますね。

1984年生まれ・東京都出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社リクルートに就職、人材事業に従事。30歳で退職し、当時5歳の息子を連れてルワンダへ移住。日本とは全く異なる環境であるルワンダで、ゼロからタイ料理屋 ASIAN KITHEN を立上げ、経営に奮闘している。

上記が私のプロフィールです。
「アフリカで起業」と聞けば、崇高なビジネスマインドや、国際協力分野での高い志を持ってのことかと想像される方が多いかと思います。
ここにシングル子連れで挑んだと聞き、どんな女傑かと想像されることが時々あるけれど、本書を読めばお分かりの通り、私は全然違います。

新卒で入社した会社では営業職に就くも全然売れなくて、成功体験をあまり積むことが出来なかった。2年目で産休育休に入り、息子が一歳の時に離婚。シングルマザーになり復職。
激務と子育てで心と身体をすり減らす時期を経て、「リフレッシュ」しようと休暇を取り友人を訪れたルワンダで30歳の誕生日を迎えながら、「うん、ルワンダに引っ越そう」と、スッと決めます。一大決心というよりは、最初から決まっていたかのような、ごくごく自然な流れでした。
という感じで半ば勢いとノリでルワンダへ移住。そして現地に既に住む友人が「タイ料理屋とかいいと思う」とアドバイスをくれたので、「じゃあタイ料理屋をやってみよう」と、始めることにしました。

こちらが「なんでルワンダでタイ料理屋なのか?」と聞かれたときの答えなんですが、答えという答えになっていなくてなんかスミマセンっていつも思います笑。
実際ルワンダの経済・社会状況的にどうなの? あたりも含め、本書ではもう少し詳しく書いてあります。
でも、人生の転機というのはこういうものです。要は、周りを納得させる必要なんてないんですよ。責任とるのは自分ですから。
それに、直感ってこれまでの経験からはじき出されるようなところもあるので(科学的にどうなのかは知りません)、時には直感を信じて大胆に動いてみるのもまた人生のスパイスになっていいですよね。

そうして2015年に始まった私のルワンダ生活。
お店を開くまで、そして開いてからも起こり続ける数々の珍事。困難に負けてくじけそうになった時。育児との葛藤。それでも歩き続けるうちに、店はなんとか軌道に乗り、出会いもあり、娘も生まれる。そして2020年春、新型コロナという未曽有の危機がルワンダにも訪れ、そこで生きる人々の強さに心打たれつつ、なかなか肯定できなかった自分自身の人生と再び向き合う。
以上が話の大筋です。

時系列で進行するストーリーを軸にしつつ、徐々に垣間見えてくるルワンダの政治・経済・社会・文化的な面についても、時に日本との対比を交えて、いろいろと感じたことを差し挟んでいます。
また「ルワンダ人は~」「ルワンダでは~」と主語の大きな一般論に終始することなく、なるべく本文中の実在のキャラクターから伝わってくるような記述を心掛けました。

電子レンジを水洗いして壊してしまったり、タイ料理屋のシェフなのにタイ料理が好きになれなそうだったり、店の装飾品を無邪気に売り飛ばしてしまったり、とにかく愉快なアジアンキッチンの仲間たち
読みながら自分でもついプッと笑ってしまうのですが、こうした出来事を通して、徐々にルワンダでの暮らしや価値観、人々の生き方が見えてきて、日本と違って面白いな〜と思ったり、想像し得なかった影を知ってなんとも言えない気持ちになったり……。

また、ルワンダと聞いて多くの日本人がすぐに思い浮かべるであろう94年の大虐殺の話も、現政権の公式見解をもとに史実を記述した上で、スタッフが聞かせてくれた個人的なエピソードも載せました。国の、そして人々の過去に刻まれた出来事は、四半世紀経った今の社会からもにじみ出ています。

こちらが本の目次。
Chapter1 開店準備は珍事の連続
Chapter2 珍事は続くよ、どこまでも
Chapter3 貧しいって、ツラいよ
Chapter4 歩き続ける
Chapter5 2020年、春
おわりに

アジアンキッチンの店内

世界はつながっている

目次を見れば、時系列での展開が何となくわかると思いますが、個人的にも思いを込めて、あえて章として独立させたのが Chapter 3「貧しいって、ツラいよ」です。

役人の御曹司など富裕層が通う一流学校の丘の下にはスラムが広がっている現実。孤児院出身のスタッフの過去。輝かしい女性議員比率の裏で苦しむ多くの女性。我が子を亡くした直後も働かねばならないシングルマザーのお手伝いさん。生き残る術として私を脅迫してくる元スタッフ。50円札を拾おうとして車にはねられてしまう従業員。

ルワンダを訪れる観光客は、「フツーに生きる人々」を見て、ホッと胸をなでおろす。「あぁ、思ったよりも不幸じゃないんだな」と。
確かに彼らは、強くたくましく生きていて、勇気をもらいます。私もその一人。でも、普段は「フツーに」幸せそうに生きている彼らも、一つ問題が起これば、一気に詰んでしまうという現実がある。
途上国の人を哀れな目で見る風潮を促したいわけではないです。でも、身近な人が「日本だったら、こんな目に遭わないのに……」というような出来事に翻弄されているのを目の当たりにした時に、「貧しいって、ツラいよ」と思いました。思ってしまった。それを率直に書いた章です。

書いた理由は、こんな状況を少しでも身近に感じてもらいたいからです。
ルワンダという国は、日本人の多くの方にとっては「アフリカのどこか」でしかないかもしれません。でも、世界はつながっていて、持てる者と持たざる者のパワーバランスがあり、いつも誰かが苦しんでいる。世界中の誰もが、その連鎖の一員です。
その連鎖について具体的な説明は本書ではあまりしていませんが、その現実をまず知り、そして考えるきっかけになればと願っています。

誰かの背中を押す本になれば

先にも書いたように、私はなかなか自分の人生に「イエス」が言えませんでした。
思えば30年、いつも「ガイドライン」を気にして生きてきました。それは世間の目だったり、社会規範だったり、とにかく物事には世の中的に良しとされている「正解」があるのだと、そればかりが気になる。
そうしているうちに、どんどん自分が好きなことも、やりたいことも、ましてや「自分らしさ」なんてわからなくなって、迷子になっていた自分がいました。
そんな中でルワンダ行きのチャンスを掴み、人生を「リセット」しようとルワンダへ飛び立ちます。

そこで私がたどり着いた場所とそこから見えたものについては、ぜひ本書を読んでみてください。
何の自信も準備もないけれど、自転車に乗れるようになったら乗ろうでは一生乗れないのだ、と始めてしまったこの冒険記が、誰かの何かのきっかけになったら、これほど嬉しいことはありません。

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